くるり / Birthday

drkcs2005-02-28


前にも書いたと思うけど、僕はくるりのにわかファンです。もともとぼさっとしたものよりかちっとしたものが好きなんですよ。中間色より原色、曲線より直線的デザインが好きだったりして、音楽に関しても抑揚のはっきりしたメロディが好きです。石田ショーキチの泣きメロやエモロックの派手メロとかね。だからはっぴいえんどなんかよりオフコースが好きでした(古!)。てなもんで、くるりも出てきた当時は自分の範疇じゃないと思ってろくすっぽ聞かなかったんですよ。ただ、年も取り、なんとなく落ち着いた音にも魅力をきちんと感じられるようになって、はじめてくるりの良さを実感できるようになったんでしょうね。今回はくるりにしてはとてもメロディアスなんだろうけど、やっぱり不必要な抑揚はないんですよね。感情をむやみに表に出さない分、わびさび的な行間の叙情にとても気を使って作られているあたりが、文学的ロックなんて評されている所以なんでしょうね。ただ(昔のくるりは良く知りませんが)音的にはとてもアメリカくさいですよね。バンジョーとかスティールギターとか、ライクーダーばりのサウスアメリカン。このミスマッチが逆にくるりの個性とでも言うのでしょうか。中米的開放感と和的わびさびの融合から生まれるミスマッチがミスマッチでなくなる不思議な世界観。不思議系(?)女性ボーカル代表選手でもあるイノトモのコーラスはまさに大正解。にわかファンなんで過剰評価しすぎなのかもしれませんが、今まで聞いてこなかったのを後悔してますよ、ほんと。

ASIN:B0007IO1FU

フジファブリック / 銀河

drkcs2005-02-26


最近、月の半分以上が出張なもんで、ほとんど聞く暇も書く暇もない状態です。というか、聞く暇はかろうじてあるものの、新譜を仕入れに行く暇がなく、仕方なく少し前のをくり返し聞いております。そうすると、発売直後にここに書いたことに後悔を感じることもしばしばあるもんです。でもいつもは、まいっか、てな感じで放置プレイなんですが、この曲だけはなんかもう一度書かねば、ってことで本ブログ初の再登場です。

前に取り上げた時はちと否定的に書きすぎてしまいました。そういうつもりで書いたわけではないのですが、読み返してみると、ちょっと表現が乱暴でしたね。シングル向きじゃないって感想は今も変わらずなんですが、だからこそ(?)、今さらにハマってます(笑)。抑揚を微妙に押さえた短メロのリピートを、予期せぬポイントでの連続変調で味付け、なんていう、変態度120%な感じはやっぱり志村氏しかできない芸当であり、さらに「銀河」というタイトルからインスピレーションされるギターアレンジあたりが片寄臭なんですが、今はそれよりもこのリピート中毒性に、なんとなくQujilaの杉林臭を感じたりもしてます。マニアックな曲ほど、後から脳みそにズガンと来るんですよね。とうとうチャートにまで登場するようになったレミのような王道を行くのも良し、フジファブリックのようにオタな道を行くも良し。彼ら世代が新しいロック界を広げてくれてるのがなんとなく嬉しくなってしまうおじさんでした。

ASIN:B00074C6HY

レミオロメン / 南風

drkcs2005-02-20


2ヶ月連続の新曲リリースはやっぱり嬉しいですね。どちらも基本的に文句なしの名曲。同時期メジャー入りのアジカンが評判落とし気味なのに対して、こちらは逆にここにきて評価は上がる一方です。鳴り物入りでメジャーデビューしたのはいいけど、ファーストアルバムがインディーズの焼き直しだったので、寡作なのかなぁ、いい曲書くのにもったいないなぁ、なんて勝手に思ってましたが、溜めて溜めて一気に放出なのか、販売戦略なのか知りませんが、予想以上の実力発揮で大満足です。ただ、いつもいつも思うのは、草野正宗のフォロワーの域を出きれてない、ってこと。この南風なんて、コード進行まで草野節。声質がそれほど似てないからまだいいけど、よく聞くとスピッツなんだよなぁ。でもそれが悪いとは決して言いません。そういうアーティストがいてもおかしくないのに、ほかにいないのは、意図的フォロワーだとしても、あの独特感を再現できること自体、それはそれで多才なんでしょうね。c/wの方がかえってオリジナリティーがあるんで、独特な実力も十分有してるバンドってことは一目瞭然ですから、いちファンが妙な心配する必要もないですね(笑)。

ASIN:B0006TPGD6

フジファブリック / 銀河

drkcs2005-02-02


ちと忙しいんで、手短に。
先にアルバム出ちゃいましたが、予告通り冬盤までシングルを出してきましたね。だけど今回のシングルは、個人的には???。ちょっとシングル向きではないよね。アルバムのこぼれ曲? ま、志村君のことだから、マニアック臭プンプンなシングル出したってそれはそれでいいんだけど、その臭いが志村臭じゃなくて片寄臭なんだよなぁ。まるでGreat3の曲みたい。アレンジが特に。片寄プロデュースじゃなかったインディーズ時代の方がなんかいいかも。

ASIN:B00074C6HY

100s / OZ

drkcs2005-01-20


ここ一週間のオフタイムの99%を費やして聞き込んでおりますが、まだ魅力のすべてを感じ取れてないような感じがします。だけど、もうこればっかり聞いてるので書きたいことは山ほど溢れてきてて、逆に収拾つかない状態ですよ。いつも僕の駄文を紹介してくださっている(この場を借りてお礼:いしいさん、ありがとうございます。)「初めての音楽評には少しのエスプリを」でももうかなりOZ評も出てきてますが、予想通り賛否両論ってゆーか、みなさん困ってますね(笑)。そう、なんか面食らうんですよ。中村ファンもそうじゃない人も。

おそらく21曲70分の超大作なところがそう感じさせるんでしょうけど、実はOZは3枚のまったく違うミニアルバムが合体してるんですよ。それに気がついたとき(最初に気づけ)やっとなんか謎が氷解しました。ちゃんと短曲「OZ I」「OZ II」「OZ III」という区切りがあるじゃないですか。そして第一章は割と万人受けするポップなナンバーが並び、第二章は心を切りつけるような尖った楽曲、第三章はうって変わって癒し系な音で綴られているんですよ。それはまるでオズの魔法使いのお話のような典型的な御伽噺の構成と同じで、アルバム丸ごとひとつでストーリーが完結してるんですよ。それを踏まえて聞かないとなんか散漫な感じがしちゃうんですよね。そう考えると、まさにオズですよね。やさしいライオンは勇気をもらいにオズ大王(K-ing)に会いに行くわけで。

ま、そんな解析はどうでもいいんですが、問題は中村一義から100sってゆーのはどーよ?ってとこですよね、ファンとしては。これについては、どなたかも書いていたように、どの曲もすべて中村一義の範疇はやっぱり超えてないんですよ。あくまで彼の培ってきたフィールド。ただ変わったなぁと思うのは歌い方かなぁ。前にHoneycom.wareのときにも書いたけど、歌詞がさらに難解になってるし、聞き取り不可能。実は今回は「わざと」いまだに歌詞カードを一度も見ていません。いつも中村の歌詞見たさに最初から歌詞カード片手に聞いちゃうんだけど、その聞き取り不可能さをあえて体現すべく、歌詞カードなしで、なにを歌っているか分からないまま聞いてみようとしてます。なかば予想通りなんですが、中村の高音ボイスは見事にひとつの楽器として機能してますよね。初めてジュビリーを聞いたあの衝撃が蘇ってきます。話が逸れちゃったけど、100sってバンドはやっぱり「音」として進化する部分ってのは実はあんまり期待すべきところじゃないんじゃないかな。やさしいライオンのように中村以上に中村らしい曲を書くメンバーなんだもん、中村のこれ以上ない理解者たちですよ。中村の音を根本的に変えるんじゃなくて、中村のやりたい音を具現化できる連中なんですよ。MOTORWORKS東京事変とは違うんですよ。そのぶん中村に余裕ができて、彼はまたアーティストとしてさらに飛躍している気がします。アルバムとして懲りすぎてる気もしますが、逆を言えば最も緻密に計算高く狙って作られた今作を傑作と言わずして何と呼ぶんだ!って思うんですよ。一人ずつ頼れる旅仲間を増やしていってやっとエメラルドの国に辿り着いたっていう中村個人の「嬉しさ」がすごく伝わってきて、初期の悩める宅録青年の頃から中村を聞き続けてきたおっさんファンとしてはもう涙なくして聞けませんわ(大げさ)。

あーやっぱり散漫になっちゃったよ。しかもまだまだ全然書き足りない。続きはまた歌詞カードを見てから書こうかな。

ASIN: B0006M197U

福山雅治 / RED×BLUE

drkcs2005-01-19


トライセラやデリコを世に知らしめたポカリのCMソング。ま、さすがに悪くない。この手の王道ロックは嫌いじゃないんですわ。もちろんどこかで聞いたことある風な古典的ロックの単なる焼き直しであることは否めないんですが、福山なんでね。アーティスト福山ってマニアでシビアな音楽ファンから見たらアーティストとして認めない人も多いんだろうけど、売れてる=売れ線狙いとしか捉えられないような狭い心は持ちたくないんで、その辺公平に考えてみれば、そんな悪くないと思うんですよ。むしろ役者だけやってても十分にイケるのにあえて音楽にこだわって真面目にロックやってる姿は真のアーティストとして認めてもいいじゃない。実力とかそんなんはまた別だけどさ。ああいうイイ男が地道にやってる姿は、それはそれでかっこいいと思う。それにサンボマスターがいくらがんばったって、カリスマにルックスまで求める世の大半の人々にはハナから見向きもされないわけで、古典的王道ロックのよさを世間に浸透させられるのは、悲しいかな、福山なんですよ、実際。この曲だってロックなんか聴かない女子は、福山じゃなきゃ好んで聴かないよ。そんで、あ、ロックってかっこいいって思うきっかけになったらなんか嬉しいじゃない。もしかしたらこれがきっかけでサンボマスターが女子に大うけになるかも、って、絶対無理だ(爆)。

ASIN:B00068X544

orangenoise shortcut / Melt in the sky

drkcs2005-01-18


ピコピコ電子音のばりばりキュートポップのエイプリルズ目当てでなんとなく買ったスプリットCDとか言う共同シングルなんですが、買ってみたらもう1組のほうがぜんぜんイイ!ってことで、本日はorangenoise shortcutを取り上げてみました。あいかわらず無知なもんで初めて聞いたんですが、このレーベルらしくポップです。てゆーか、パーフリです(笑)。またまた出ましたフリッパーズチルドレン。パーフリフォロワーって新しく出てくるたびにパーフリに近くなっていきますねぇ。普通時代がたてば影響受けても遠ざかっていくもんなのになぁ。パーフリマジック?。ただ、tetrapletrap(-F)のような確信犯とはまたちょっと違ったアプローチもあって、つまりパーフリ系の新しい解釈というか咀嚼して発展させようとしている感じは好印象です。エイプリルズカップリングだから目立つのかもしれないけど、パーフリの3am OPのようなちょっとした刹那感がうまく出せてるのが他のパーフリフォロワーが出し切れなかったところかなぁ。って、それこそ逆に確信犯ってことなのか(自爆)。

てな感じで宅録派の最新系なわけですが、実はこれを書きながらも聞いているのはOZだったりします。宅録派の元祖系はどうバンド化していくのか。まだまだ聞き込みが足りず、まとまりません。てゆーか、聞けば聞くほど表現するのが難しい作品です。

ASIN:B0006OR40O