V.A. / TRIBUTE TO YMO

drkcs2004-09-24


ここでトリビュートを取り上げるのは2回目かな。いやまさにYMO世代なんで(笑)。リミックスアルバムは数多く出ているYMOもこれだけ多方面のジャンルのメジャーアーティストによるトリビュートは初ですね。トリビュート流行もいいんですが、単なる「企画盤」になってしまいがち。この前の真心COVERSなんかもよかったんだけど、「アルバム」として通して聴けないんですよねぇ。それでも今作は「聴ける」トリビュートになってます。いろんなところで批評が書いてあるんで、あえて細かくは書きませんが、やっぱり注目は高野寛クラムボン片寄明人ショコラ夫妻、曽我部恵一ですかね。ただ個人的注目は実はケン・イシイ。今作については、どのWeb読んでもボロクソ書かれてます(笑)。残念だったのは、6.Firecracker / Ken Ishii である。本人は狙ったのかも知れないが、まるで80年代初期に楽器屋ではじめてシンセを触らせてもらった高校生が作ったという感じだったのだ。彼の今までのワークスから考えると、ちょっといただけなかった。 ってのもあったんですが、そう、おそらく狙ってるんですよこれは。何故かデビュー数年前の彼のプレイを某高校の文化祭で見て知ってるんですが(笑)、あれを思い出してしまいましたよ。トリビュートなんだから、YMOを本当に好きだったあのころ(まさに80年代です)に帰ってできた作品じゃないですかねぇ。とってもチープ感の中にその後のケンイシイの卓越したセンスが垣間見えて、制約された機材の中ででも自分らしさを作るお手本の様な曲。テクノ好きなら誰もが通ることを敢えてトリビュートでやるってのもいいんじゃないですかねぇ。と、思ってしまいました。

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