ZAZEN BOYS / ZAZEN BOYS

drkcs2004-01-14


年も明けすでに二週間が経とうとしておりますが明けましておめでとうございます。今年も思い出した時にだけこの日記をお楽しみくださいませ。

さて2004年の一発目はZAZEN BOYS。これはまたいろいろと考えさせてくれる問題作です。

NUMBER GIRLの解散は、ファンにとってはあまりに衝撃的でした。ベース中尾憲太郎の脱退ってだけでも大事件でしたが、脱退=バンド解散という余りに潔い決断には、個人的には「何故?」と思わずにいられませんでした。しかし、その答えは、まさにこのアルバムで示されていました。

解散後、向井秀徳アヒトが作ったバンド。それがこのZAZEN BOYSです。そのバンド名からも、ラストアルバム「NUM-HEAVYMETALLIC」の延長線上にあるようなイメージを持っていたんですが、実際に音を聞くと、半分は予想通り、半分は全く予想外でした。「延長線上」であることは確かです。向井の宗教的狂気爆発状態はNUM-HEVYMETALLICを大きく越えています。しかし、音が…。この音を言葉で表現するのはすごく難しいんですが、完全なるアンチメロディ。ボーカルも楽器も全てムンクの叫び状態。永遠と続く不協和音の変則リズム。難解とかそういうレベルの問題じゃないです。とどのつまり「ロックでお経を唱えたら」(笑)。そしてはっきりと違うのは実験的サウンドアプローチ。いわゆるバンドサウンドというものとは対角的方向。これは完全に予想外でした。いや、思い返せばその予兆はあったんです。何だったか忘れたけどカルト系雑誌を本屋で何気なく見たら、付録に向井のソロ曲が付いてたんで買ってみたんですが、「NUM-AMI-DABUTZ (猫町version)」ってやつで、これがまさにNUMBER GIRLのバンドサウンドとはまったく違う実験的な音だったんですよ。ただそのときは「あぁ、向井もこういう音作りができるんだ」ってぐらいにしか思ってませんでした。

向井は自身のホームページで「自由に、やりたいことをする。それが出来る」とZAZEN BOYSの活動を称しています。明らかにNUMBER GIRLとは異なるサウンドアプローチは、あえてNUMBER GIRLとは違うアプローチを意識してのことなんでしょうが、それが向井のやりたかったことなのか。それを考えるとこのアルバムの受け止め方に大いに悩んでしまうんですよ。

ZAZEN BOYSはすごくおもしろいと思います。きっとこのアルバムはかなり聞き込むでしょう。でも、少なくとも僕のような向井の奇才に惚れてしまったNUMBER GIRLファンは、これを聞けば聞く度にかえってNUMBER GIRL解散の、ことの大きさを思い知らされてしまうでしょう。NUMBER GIRLの向井こそ僕が好きだった向井なんだって。

話は変わるけど、向井のホームページの日記見てたら、(12/25 仙台で)「対バンしたアジカンの後藤氏はナンバーガールのファンだそうだ。人がよさそうないい奴だった。」って書いてあった。「N.G.S.」の話でもしたんかい(笑)。

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