ASIAN KUNG-FU GENERATION / サイレン

drkcs2004-04-17


まずは一言。にわかファン淘汰にもってこいって感じ。なんか地味、とか言っちゃって。この世界が分からない人はどうぞさようなら。

若いバンドってのはこれだからおもしろい。進化するバンドもあれば退化するバンドもいる。メジャー路線を駆け上るバンドもあれば自分の音にこだわり続けるバンドもある。急に路線が変わることもあれば解散だってある。

アジカンは去年明らかにブレークしました。ただちょっと大げさすぎた気もするんです。確かに崩壊アンプリファーは名作だけど、君繋ファイブエムには少し彼らの限界が見えた気がしてました(前の日記参照)。特に詩の世界でね。だから実力以上に売れた感があって、このまま地に足が着かないままメジャー路線を駆け上っていってしまうのかなって思ってました。ところがところが。最近の若い子はよく考えておりますよ。こういう変わったコンセプトでこういうシックな曲をシングルで発表するってのは売り出し中のバンドがやることなんですかねぇ。君という花のような万人受けする曲でアジカンに飛びついた人たちをふるい落とすような潔さに感服。

この2曲を聞いて思ったのは、要はアジカンは本物のアルバムを作れるアーティストだったんだってこと。そしてまだまだ開けていない引き出しがたくさんあるんだってこと。一貫したコンセプトを持った複数の曲の集合体を作ることこそが本物のアルバム作りであり、君繋はメジャー1stアルバムだからといってアジカンの全てを出し切ったアルバム作りではなく本物のコンセプトアルバムだったんだってことですよ。明らかにこれまでと路線の違う今作シングルは、同名タイトル2曲入り。そしてその2曲のシンメトリックで作られた不思議な感覚こそがれっきとしたコンセプト作品である証明だ。前の日記で書いた希望通りの展開に大興奮ですよ。どこまで新しい引き出しが隠れているのか、まだまだ楽しみはたくさん残ってるんだろうな。

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